先日気になるニュースを見かけました。
皆さんは、色覚検査を受けたことがありますか?僕は小学生の頃に受けた記憶があります。おそらく"石原式色覚異常検査表"を使ったものではないかと思うのですが。実はこの色覚検査、結果によっていじめや差別の対象になるという理由もあり、廃止されるようになったようです。
上の写真は、左が一般的な色の見え方、右が特に男性に多いとされている2型2色覚の方の色の見え方です。赤と緑が同系色に見えるなどの違いがありますね。僕も同級生にいたのを覚えています。音楽やスポーツもやっていて、日常の学校生活でそれを感じさせる場面は全くありませんでした。
あくまでも僕の考えですが、色覚検査自体は行ったほうがいいと思っています。それは本人のため。今は色盲や色弱という言葉ではなく、"色覚特性"という言葉を使うようになっています。これは個性の一つ(色の見え方は人それぞれ)という考え方なのでしょう。色覚検査をしなければ、本人がその個性に気づかないまま大人になってしまいます。また、そのことを皆が知っていなければユニバーサルデザインの普及につながりません。
それから、とっさの色の判断が命に関わる場合もあります。これは匂いや味、音もそうです。消防のような命に関わる現場で色に関してシビアになることは当然のことだと思います。それを前提として、できることできないことを知っておくことも、大事ではないかと思います。
一方で、色覚特性によって採用不採用を決めるのは、職場や社会のユニバーサルデザインの意識がまだ足りないという見方もできます。トリアージの際のタグの色の区別などは、色だけでなくデザインでカバーできることもあります。信号機の例もその例です。
一概に、どちらがいいとは決められないことですが、差別につながってしまうような環境の改善(ユニバーサルデザイン)が必要なのは間違いありませんよね。
デザインを行う方でなくても、ユニバーサルカラーデザインの知識は必要です。社内の掲示物、サイン、オフィスのインテリアなど色覚特性によって不便な生活を送らなくていいような職場の改善も"働き方改革"の一つだと思います。
ユニバーサルデザインに関するセミナーや研修などについても、ご相談を承りますので、お気軽にご相談ください。