チェーン展開している場合でも、出店する地域に応じて店舗の外観を変えるという方法を取っている企業があります。例えば、福岡の皆さんがご存知なのは太宰府天満宮の参道にあるスターバックス。隈研吾氏が手がけたことでも知られていますが、「自然素材による伝統と現代の融合」というコンセプトだそうです。
もちろん、デザインなどは個人の好みはあるにせよ、太宰府天満宮というその地域の魅力を壊さないような取り組みをされていますね。一方で、大濠公園にあるスターバックスもまた全然違う内外装ですが、これも周辺のことをよく調査したんだなということが伺えます。
上の写真は、福岡市東区筥崎宮のすぐ近くにある「ナガタパン」。実は僕が住んでいる那珂川町にもあるのですが、同じ店とは思えないくらい、全く違う外観です(もちろん内装も)。レトロな看板もすごくいいですよね。この地域は、昔ながらの古い様式の建物が多く残っており、それをそのまま活かした造りになっています。ちなみにその隣の店も、同様ですね。やはり、筥崎宮の目と鼻の先ということをよく配慮したデザインだと思います。看板なども派手な色を一切使ってもいません。この写真を撮った時は、金曜日の正午くらいでしたが、店内にはお客さんが並んでいて、僕は急いでいたので買うのを諦めました。決して今風にしたり、派手な看板や外装で目を引かずとも、成功する店はあるんですね。
大事なのはやはり、その地域に受け入れられるような配慮と、魅力が伝わりやすいデザインを取り入れるということかもしれません。いずれにせよ、店を建てる側の言い分だけで考えない、ということが大事だと思いました。ですから、私たちカラーコンサルタントも、調査をとても大事にしています。